ぼくは歯並びがいいほうではありませんでした。
歯は大人になると動かないものと思っていましたが、加齢とともにどんどん動いて、ガタガタが目立ってきていました。
また、犬歯が内側に向けて生えた箇所があります。
食事中、口内の自分の肉を巻き込んで噛んでしまって出血し、痛い思いをする機会が増えていました。
それだけではありません。
その内側に向けて生えた犬歯のせいで、顎の小さいぼくは口腔内がより狭くなり、仰向けで寝ると舌が重力により喉のほうに落ちて気道を塞ぐことで【睡眠時無呼吸症候群】を患っていました。
そこで、それらの問題を解消すべく一念発起し、歯列矯正をすることに。
そのときすでに39歳。
持病の【睡眠時無呼吸症候群】のことや、歯茎への負担も心配でしたが、不安を拭い去るべく調べに調べまくって、非抜歯での矯正を選択しました。
現在は矯正も終わり、保定期間に入りましたが、うまくいってよかったと思っています。
そこでぼくが医院を選ぶ際に調べたことや注意点、そして実際に経験したことだけをお伝えします。
ビフォーアフター
まずは、ぼく自身の歯並びがどうなったか見ていただきましょう。
アフター写真は、まだアタッチメントがついた状態の頃です。
右側の犬歯あたりのガタツキが解消され、なおかつ出っ歯もマシになっています。
正中のズレは、骨格のズレから来るものなので、キレイに合わせるのはむずかしいそうです。
医院で紹介されているような実例写真の中で、キレイに正中が揃っている写真が多いのは、そういう人を選んで掲載しているからでしょう。
芸能人でもよくよく見ると、正中がズレている方が多いです。
非抜歯のマウスピース矯正でここまで整うのは、本当にビックリしました(先生に感謝)。
(歯の黄ばみは元からでもありますが、撮影時に部屋の照明が電球色だったのでさらに黄色く見えています)
歯列矯正は医院(医師)選びが重要
コミュニケーションとセンス、理想の歯並びを具現化する技術は、医師それぞれで違います。
これは理想のヘアスタイルを実現してもらうため、ヘアサロンやスタイリストを探すことと似ています。
医院(医師)選びの時点から、結果の良し悪しがもう決まったようなものなので、一番重要です。
歯列矯正を始める年齢が高くなればなるほど、歯肉退縮などのリスクも高くなるので、余計に医院(医師)選びが重要になるのです。
●キレイな歯並びになる
●見た目の印象がよくなる
●正常な噛み合わせによる健康が手に入る
●噛み合わせが悪くなる(顎関節症など)
●老ける(法令線ができる)
●歯肉退縮など歯茎に問題が起きる
ホームページや実例写真だけでなく、実際に一度カウンセリングを受けに行き、医師や医院内の雰囲気も確かめてから決めましょう。
ちなみにぼくは最初、抜歯によるワイヤー矯正を行う別の医院を予定していました。
数万円かけて検査まで進めていましたが、医師とのやりとりや医院の雰囲気によるモヤモヤした気持ちが拭えず、その医院をキャンセルして(もちろんそこまでの費用は返還されません)、非抜歯によるインビザライン矯正の医院を選び直しました。
また、歯列矯正は健康に直結するものなので、費用はケチらないほうがいいと感じます。
ぼくは親知らず抜歯の費用も含めると、トータルで120万円くらいかかっています。
(それに加えキャンセルした医院の検査費用も…)
ちなみに、確定申告により【医療費控除】でほんのすこし戻ってきました。
最近では『安くて手軽に歯列矯正』みたいなものもあるようですが、歯科衛生士さんに訊いたところやはり「オススメしない」とのことです。
あと個人的には、『雇われ院長』の医院よりも『自分で経営している院長』の医院のほうが、責任感がありそう(笑)に思います。
抜歯矯正 or 非抜歯矯正 ?
最初にお伝えしたように、ぼくは顎の小ささと歯並びのせいで【睡眠時無呼吸症候群】を患っていました。
抜歯による歯列矯正に関して呼吸器科の先生に相談したところ、「抜歯をして口腔内が狭くなると余計に悪化する」と忠告され、非抜歯矯正を選択しました。
(この助言が抜歯矯正をキャンセルした理由としても大きい)
それでも下顎の歯茎に埋まっていた親知らず2本は抜歯する必要があったのですが、いざ抜歯してみるとそりゃもう大変。
抜歯というより『摘出手術』に近かったです。
(実際4日間入院したし)
これが『元々行おうとしていた抜歯矯正となると、もうあと4本(上下2本ずつ)も抜かないといけなかった』と考えるだけで恐ろしいです。
ただ、人によって現状の歯並びを考慮し、健康な歯を抜歯せざるをえない場合もあります。
歯を整えて納めるスペースが足りないと、歯肉退縮が起きたり、口元が飛び出るような仕上がりになるからです。
メリット
●口元の印象(見た目)を大きく変化させられる
デメリット(起こりうる可能性)
●口腔内が狭くなり、呼吸が苦しく感じる
●不定愁訴になる
メリット
●自分の歯を保持できる
デメリット(起こりうる可能性)
●歯が治りきらなず口元が飛び出る(口ごぼになる)
MOOフィロソフィー
非抜歯矯正の方法でもいろいろあるようで、ぼくは『MOOフィロソフィー』という理論を実践している医院を選びました。
興味のある方はこちらをご覧ください↓
上記サイトの中で、中心人物的な存在の先生がいる医院が、たまたま通勤電車沿線にあったので、先生や医院の雰囲気などから決定しました。
(通いやすさも重要だったりします)
ワイヤー矯正 or インビザライン(マウスピース)矯正?
ぼくはインビザラインを選択しました。
歯並び的にインビザラインは難しいと思っていたのですが、診断の結果「大丈夫」とのことでインビザラインに。
昔からある矯正装置ですね。
歯にアタッチメントをつけてワイヤーを通し、そこに力を加えて歯を動かしていきます。
メリット
●歯の動きを見ながら随時調整しつつ、理想のゴールへ向かうことができる
デメリット
●まめに通院が必要
●調整直後は痛みで食事がつらい
マウスピースによる比較的新しい技術です。
メリット
●矯正中の見た目に影響がない
●歯磨きがラク
●痛みが少ない(ほぼない)
●まめに通院しなくていい
デメリット
●途中で調整できない
●飲食時にはずす手間がある
【インビザラインのメリット】について詳しくお伝えします。
矯正中の見た目に影響がない
透明のマウスピースなので、矯正中はこちらが「矯正してるんです」と言わないと気づかれないほどでした。
歯磨きがラク
ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーの隙間などに食べカスが詰まったりしてケアが大変なようですが、インビザラインはマウスピースを外せば普通の状態なので、歯磨きがラクでした。
痛みが少ない(ほぼない)
ワイヤー矯正の方曰く「調整後は豆腐やうどんしか食べられないくらい痛い」という声を聞きますが、それに比べると全然痛みはありませんでした。
ワイヤー矯正は『一度の調整で大きく力を加えて』歯を動かすようですが、インビザラインは『こまめに小さい力を加えて』歯を動かす仕組みだからだと思います。
まめに通院しなくていい
マウスピースは数ヶ月分まとめてもらえ、あとは一週間や二週間ごとに自分で交換するだけなので、ワイヤー矯正に比べて通院回数が少なくて済みます。
要は自分でマウスピースを交換する作業が、ワイヤー矯正の調整にあたる作業ですね。
【インビザラインのデメリット】についても詳しくお伝えします。
途中で調整できない
医師がコンピューターで設計をし、そのデータを海外に送信し、マウスピースが制作され日本に届きます。(ここで数週間待つことになります)
なので、最初にゴール設定をすることになるので、よっぽどのトラブルがない限り、最初に設定したゴールまで進むことになります。
状況(歯の動き)を見て、途中でゴールを変更ということができません。
ぼくは気になる箇所があったので、結果的に3回やり直してもらったので、期間がより長くなりました。
飲食時に外す手間がある
飲食の際はマウスピースをその都度、外す必要があります。
なので、試食や食べ歩きが気軽にできません。
装着したまま口にしていいのは水だけです。
お茶やコーヒーは色がついてしまうため外します。
食後はすぐにフロスと歯磨きをして、虫歯予防に努めました。
(それでも矯正中に虫歯ができてしまいましたが…)
唾液には多少虫歯の元をやっつける?菌が含まれているそうで、食後にケアをせずマウスピースをしてしまうと、歯にその唾液が届かなくなってしまうので、虫歯になりやすいようです。
現在はリテーナーで保定中
ぼくの場合、気になる箇所があってやり直しを希望したり、途中で虫歯治療による中断もあったので、矯正終了までに4年半近くかかってしまいました。
現在は保定用のマウスピース(リテーナー)は常時装着しています。
『矯正して動かした歯を元に戻らないように時間をかけて固める』というような作業です。
これも2年くらいは装着し続け、それ以降は『睡眠時のみ』だったりと、段階的に外していくことになるようです。
ただ、食後に数時間外したままだと、再度装着した時に少し違和感があります。
例え数時間でも、歯は元に戻ろうと動くのだなと感じます。
綺麗な歯並びを生涯維持したいのであれば、可能な限りリテーナーを装着し続けたほうが良さそうですね。
で、結局なにを手放すん?
年齢による諦め
歯列矯正を開始したのが39歳と遅かったですが、やり始めて本当に良かったと感じています。
口内の自分の肉を噛んで出血することはなくなったし、睡眠時も呼吸が苦しくて目が覚めることもなくなりました。
なにごとも『もう遅い』と思わず、まずは一歩を踏み出すことが大事ですね。
ぼくの場合は『歯列矯正について検索する』がはじめの一歩でした。
この記事が『誰かにとってのはじめの一歩』につながってくれれば、うれしく思います。